AUTOZAM AZ-1 って知ってますか?
バブルの申し子ともいえる軽自動車ABCスポーツカーの一つ、「AUTOZAM AZ-1」。マツダの5チャンネル化計画によって作られたオートザム店で販売された軽自動車なんですが、覚えている方又は知っている方はどれだけいるかな。
平成4年から7年の間に4,409台しか売れていない販売的には大失敗といえる車なんですが、そのフォルムから販売終了後27年を経過した現在では当時の販売価格を余裕でオーバーするまさにプレミア価格がついちゃっている車だったりします。新車価格が大体150万円だったのですが、2021年5月27日付のgoo-netに掲載されているAZ-1の販売価格を見てみると・・・高い物では350万円を超えていたりしますが、自分が購入しようとおもう走行距離などの車の程度などを考慮すると、大体180万以上の価格が設定されているようです。27年前の車ですよ?ほぼメーカーではパーツないんですよ?実用性はほぼ皆無な車なんですよ?。ロマンの塊の車は生産終了後からプレミアがつく車に大変身するという格言があるのかないのか知らないですが、希少車の王道を地で行く様な車になります。
販売終了後25年が経過した令和元年前後からAZ-1の中古車価格が急激に上昇します。それまではいくら希少車の王道をいくといいながらも、中古車市場では程度の良い物で150万円くらいの販売価格だった訳で、全体的には100万円前後の価格だった記憶があります。まあそれでも普通の中古車からしてみれば考えられないくらいのプレミア価格だった訳ですが。この中古車市場の急激な価格上昇はアメリカの25年ルールが影響しているはずで、実際ただでさえ残存台数が非常に少ないAZ-1ですが、生産終了後25年を経過してからかなりの台数がアメリカに輸出された様です。小さい車を好むアメリカ人がどれだけいるのかは不明ですが、実際アメリカではAZ-1が500万円以上で取引されているんだとか。
AZ-1とはどんな車?
AZ-1のエンジンはアルトワークスなどと同じスズキ製のF6A型ターボエンジンをミッドシップに搭載する2シータースポーツカーになります。さらに、AZ-1を特徴づけるアイコンとして、運転席・助手席側ともガルウィングの扉が採用されています。ミッドシップ2シーターでガルウィングの車なんて世界でも稀有な存在です。
ただでさえミッドシップという回頭性が高いレイアウトにガルウィングという重心が高くなってしまう扉の形状を採用した事から、当時からハンドリングに難ありと言われてきたじゃじゃ馬で、いつ頃の資料か忘れましたが、1万台当たりの交通事故死亡者数が2位に大差をつけて1位に輝くという「走る棺桶」的な車だったりします。今の水準から考えれば絶対に発売できないバランスだとも・・・。
そんなAZ-1なんですが、販売されていた頃から欲しかったんですが当時はまだ大学生で当然買う余裕もないわけで、その後社会人になってから中古で購入しています。(中古で買ったのですが既に所有して20年以上経過してたりします。)買った金額がたしか・・145万円ぐらいだった記憶があるので、同時期に発売されていたホンダビート、スズキカプチーノと比べるとやっぱり中古車価格はかなり高かった記憶があります。価格が高いわりに、世間の評価はビートやカプチーノのが断然高くて、AZ-1は色物として見られていたはず・・・。
実際に乗ってみると、非常にシートポジションが低く設定されていて、かなり太めのサイドシール越しに座りながら地面を触る事ができたりします。今ほど禁煙が声高に叫ばれていなかった20年前では「AZ-1はシートに座ったまま、タバコの火を(地面にこすりつけて)消すことができる。」と言われていました。
なぜ復活なのか?
結局、「シートポジションが低い=乗りにくい=乗らない」という方程式が発動して、ここ5年ほど乗らなくなってしまい、気付けばエンジン掛からず・・・サイドブレーキ固着した・・・ドアダンパーへたりきってドアがギロチン化した・・・などなど更に車に乗る気を削ぐ状態となっていて、車検切れ・・・ガレージの肥やしとなっていました。
AZ-1を復活させようかなあと、一番近所のモータースにAZ-1直したいと相談してみたんですが、何となくやりたくない雰囲気を感じつつも、「今工場が手一杯なので、余裕が出たら引取に行くよ。」と言ってくれたのでずっと待っていたんですが・・・・あれれ?・・・待てど暮らせど連絡ない訳です。
これだといつ修理できるか解らないので困ったなあと思っていたら、ふとした切っ掛けで別のモータースの社長と知り合う事が出来て、AZ-1の事を相談したら、「じゃあ週明けに車取りに行くよ。」という事で、あれよあれよとAZ-1は何年かぶりにガレージから出て、キャリアカーに載せられて連れていかれました。

AZ-1は実際の所このまま売却しちゃおうかな~って思っていたんですが、今年小学校に入学した息子がAZ-1の存在に気付いて、ガルウィングを開けてあげたら、「なにこの車、絶対乗りたい!パパ、今からこの車でドライブ行こうよ!」と興奮を抑えきれずにガレージの周りを走り始めたので、こりゃ「息子の為に直してみようか。」と思った訳です。

このオールシルバーのAZ-1はノーマルバージョンには存在せず、マツダスピードバージョンⅡから設定されたタイプになります。ノーマルバージョンはレッドとブルーの二色になります。あとマツダスピードバージョンⅢで設定されたブラックとM2バージョンのホワイトとAZ-1は全体で5色設定されたのですが内3色は限定車専用の塗装色になります。ただでさえ希少なAZ-1なのに、さらにシルバーのAZ-1は更に希少な色なんですよ。
今後の予定
実際何時頃修理が完了するのかは全く不明で、たぶん8月か9月頃にはもどってくるんじゃないのかな~って思っているのですが、この辺りはエンジン、駆動系の状態次第ですかね。戻ってきたら、AZ-1に載って色々出かけていき、AZ-1を扱った記事をいろいろ挙げていけたらと思っています。